アルコールの害

2000年代頃を最後に、酒は百薬の長という言葉を聞かなくなりました。
一方で、薬を飲むのは不安だが、酒は心配なく飲めるという人もまだまだいらっしゃいます。
街からタバコが消え、次はお酒、という流れに少しノスタルジックな気持ちも生じますが、
WHO世界保健機構がこの20年間、啓蒙、広報を進めていることも知っておきましょう。

アルコールの害はたくさんあります。精神と、身体にわけましょう。

 

🧠 精神への影響(メンタルヘルス)

・アルコール依存症 : 自分の意思で飲酒をコントロールできなくなる。→アルコール専門医へ通院を。

・うつ病・不安障害の悪化 : 一時的に気分が良くなっても、長期的には気分が不安定に。

・記憶障害、ブラックアウト : 飲酒中の記憶が抜け落ちることも。

・認知機能の低下 : 判断力や集中力、問題解決能力などが低下。

・衝動性の増加、暴力的行動 : 自制心が弱まり、攻撃的・危険な行動を取ることがある。

・社会的孤立、人間関係の悪化 : 飲酒問題が原因で家族・職場・友人関係にヒビも。

 

🏥 身体への影響(フィジカルヘルス)

・肝臓障害(脂肪肝・肝炎・肝硬変・肝がん) : アルコールの分解で負荷がかかる臓器の代表。

・消化器系への障害(胃炎・食道炎・膵炎など) : 消化器に慢性的な炎症を起こし、がんのリスクも増加。

・高血圧・心疾患・脳卒中のリスク上昇 : 血圧を上げ、心血管系に悪影響を及ぼす。

・免疫力の低下 : 感染症にかかりやすくなる。

・睡眠障害 : 入眠しやすくなる一方で、眠りが浅くなり夜中に目が覚めやすくなる、翌日のだるさ

・性機能の低下、ホルモンバランスの乱れ : 特に長期的な飲酒で性欲や性機能が低下。

・がんのリスク増加(口腔・喉・食道・肝臓・乳がんなど) : アルコールそのものが発がん物質で、発がんリスクは線形*である。

*線形的とは、飲酒量が増加するにつれ、がんのリスクも直線的に増加する傾向という意味です。

 

当院ではアルコール依存症は診察できません。
酒を止めてせめて睡眠だけでも改善したい場合はお手伝いできることがあります。

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